荘子の性格と生涯は?生き方の逸話やエピソードが面白い

道教の始祖の一人とされている荘子。

孔子や孟子ほど有名ではありませんが、荘子もしっかりと自分の考えを持った思想家でした。

そんな荘子の

  • 生い立ち
  • 生き方と代表作
  • 性格

について紹介していきます!

こちらを読めば、荘子の生い立ち・経歴や作品・性格や人となりが分かって、作品もさらに楽しめるようになります。ぜひご覧ください。

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荘子の生い立ちと生涯は?

荘子は紀元前369~紀元前286年、中国の戦国時代を生きた思想家です。

宋国に生まれたと言われています。

荘子とは呼び名であり、

  • 名字:荘
  • 名前:周
  • 字:子休(しきゅう)・子林(しりん)

です。

本名は荘周(そうしゅう)と言うんですね。

「子=先生」という意味なので、私たちは、「荘先生!」と呼んでいることになります。

曾子(そうし)と区別するため、中国文学や中国哲学関係者の間では荘子(そうじ)と濁って読まれるのが一般的です。

荘子の生涯は分かっておらず、どこで何をしていたのか分からないのが現状です。

荘子の生き方と作品。代表作は?

荘子の生涯については記録が残っていませんが、荘子の思想については代表作『荘子』から読み取ることができます。

『荘子』は、

  • 内編7編
  • 外編15編
  • 雑編11編

の計33編から成っています。

内編は荘子自身がまとめたものとされており、荘子の思想体系がここに凝縮されています。

外編・雑編は後学者が書き加えたものとされています。

荘子の思想は老子の思想に基づいていると言われているため、併せて「老荘思想」と呼ばれます。

しかし、二人の思想には異なる点も見られます。

老子が政治色が強く、俗世への関心が随所に表れるのに対して、荘子は、

  • 俗世に全く関心がなく、
  • 絶対的自由の精神

が説かれています。

同じ「無為自然」でも、荘子の方が、より自然体を意識していたんですね。

具体的にどのような思想の持ち主だったのかを紹介しますね。

荘子の思想1.万物斉同(ばんぶつせいどう)

世の中のあらゆる存在はすべて等しい価値を持っているという考え方です。

人間だけの価値観で世の中を見て支配するのはおかしいと唱えました。

できるだけ視野を広げて、さまざまな立場から物事を見なければならないという主張です。

人間って、どうしても人間中心に物事を考えていますよね。

どうすれば人間にとって有益か、便利かのみを考えて行動しています。

「自然を大切に」という言葉も見られますが、これだって、結局は自然を大切にしていないと、人間生活に支障がきたされるからですよね。

荘子はそういう「人間にとってどうであるか」という物差しではなく、すべてが平等なんだという物差しで世の中を見ていました。

だからこそ、荘子にとって俗世は生きにくい世の中であったんでしょうね。

荘子の思想2.死生一如(しせいいちじょ)

荘子には、万物斉同思想の一端として「死生一如」という思想もありました。

死生一如とは、死と生とを同等とみなそうとする考えです。

人間は生きることに重きを置いて、死を極端に忌み嫌う傾向にありますよね。

それが騒動や争いの原因であると説いたのです。

現在でも、自分が生き抜くため、より良い生活を送るために争いが起こることもありますよね。

荘子が生きていた戦国時代は、それがより顕著な時代でした。

混乱の世の中です。戦って自分の国を広げていく世の中。

そんな世の中にあって、このような考え方・境地にたどり着くことができた荘子は本当にすごいですよね。

まさに悟りの境地です。

では、『荘子』の中から、教科書に載ることもある「胡蝶の夢」を紹介します。

【白文】

昔者荘周夢為胡蝶。栩栩然胡蝶也。

自喩適志与。不知周也。俄然覚、則蘧蘧然周也。

不知、周之夢為胡蝶与、胡蝶之夢為周与。

周与胡蝶、則必有分矣。此之謂物化。

【書き下し文】

昔者荘周夢に胡蝶と為る。栩々然として胡蝶なり。

自ら喩しみて志に適えるかな。周たるを知らざるなり。 俄然として覚むれば、則ち蘧々然として周なり。

知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。

周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。此を之れ物化と謂う。

【訳文】

以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。喜々として胡蝶になりきっていた。

自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。荘周であることは全く念頭になかった。はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。

ところで、荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、いずれが本当か私にはわからない。

荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。しかし主体としての自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。

ウィキペディア 胡蝶の夢より引用)

「胡蝶の夢」は無為自然・万物斉同という荘子の思想をよく反映している説話です。

  • 自分は人間で蝶になった夢を見ている
  • 自分は蝶で人間になった夢を見ている

どちらが本当なのかは分からない。

と荘子は言うんです。

人間と蝶って形は違っていますが、どちらも「自分」であることに変わりはありません。

荘子にとって自分が人間であろうと蝶であろうとそれは関係なく、どちらが真実であるかを論じることに意味はないのです。

荘子にとって重要なのは、

  • 人間であろうと蝶であろうと、
  • 今が現実であろうと夢であろうと、

全てを肯定して受け入れ、その時その時を満足して生きることなのです。

与えられたもので満足した生き方をする。

う~ん、深い!

この境地にみんなが達することができたら、それはそれは幸せで温かい生活が送れるでしょうね。

【逸話】荘子の性格がわかる面白いエピソード

「胡蝶の夢」の説話からも分かるのですが、荘子は全てを受け入れようとする広い心の持ち主でした。

荘子は人間として生を受けたので、人間として与えられた人生を満足して生きたに違いありません。

自分の与えられた人生を満足して生きることが重要だったからこそ、俗世と関わり合う必要も無かったんですね。

荘子にとっては、政治に加わる必要もありませんでした。

政治に関わって自分の思想によって世の中を良くしようとすることも、荘子にとっては無為自然に反することだったのでしょう。

『荘子』の中には、動植物の寓話が極めて多く登場するのですが、その動植物の生態の描写がとても正確だと言われています。

ありのままを受け入れることに重きを置く荘子にとって、それぞれの動植物の目線、立場に立ってその動植物を観察した結果かもしれません。

まとめ 荘子はどんな人?分かりやすいおすすめ作品

荘子の性格と経歴・生い立ちと面白いエピソードについて紹介しました。

簡単にまとめておきましょう。

  • 荘子は道教の始祖の一人である
  • 荘子の生涯は詳しく分かっていない
  • 荘子の思想は代表作『荘子』から読み取ることができる
  • 荘子は「万物斉同」「死生一如」を説いた
  • 荘子はありのままを受け入れる広い心の持ち主だった

自分のありのままの現実を受け入れるって本当に難しいですよね。

どうしても不満や愚痴がこぼれてしまう・・・

荘子の思想をもっと詳しく知りたい人におすすめなのは、

『老子・荘子の言葉100選―心がほっとするヒント』境野 勝悟

です。

老子と荘子の思想を読むことができます。

思想ってとっつきにくいジャンルですが、分かりやすく書かれているのでサクッと読めますよ!

以上、「荘子の性格と経歴・生い立ちと面白いエピソード」でした。

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