「光る君へ」のストーリーあらすじと感想。面白い作品なのか? 評判は?

「光る君へ」は2024年に放送された大石静さん脚本、吉高由里子さん主演の大河ドラマです。

舞台は約千年前の京都で、紫式部と藤原道長の関係を軸に華やかな王朝文化と凄まじい権力争いを描きます。

十二単に代表される絢爛豪華な王朝絵巻は見る者の心に響きます。

当時の風俗も忠実に再現されていますので、それだけでも一見の価値あり!ですね。

ドラマの主人公「まひろ」がどのようにして「源氏物語」を書くに至るのかを、丁寧に紡ぎだすドラマには思わず引き込まれます。

さらに全48回、毎回のように源氏物語を思わせる艶っぽいシーンが登場し、見逃せないところです。

「光る君へ」は主演・脚本・制作統括・演出のすべて女性が担当しました。

大河ドラマ史上、初めてのことです。

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大河ドラマ「光る君へ」のあらすじ・ストーリーはどんな話?

物語の始まりは、陰陽師の安倍晴明が星を見て、京に凶事が起こると予感するところからです。

時は円融帝の御代、平安京も200年近くが過ぎており、藤原家による摂関政治が成熟期に向かう時代でした。

まひろと三郎の出逢い!後の紫式部と藤原道長

主人公のまひろは幼い日に鴨川のほとりで三郎と名乗る少年に出逢います。

ふたりは意気投合し、再会を約束します。

このふたりが物語の主人公で、まひろは後の紫式部、そして三郎が藤原道長です。

名前からもわかるように三郎には兄がおり、家督を継ぐとは本人すらも予想できない日のことでした。

父の藤原兼家は謀略で帝を廃し、権力の頂点へ

道長の父、藤原兼家は謀略で円融帝を退位させ、続く花山帝もわずか2年で退位させました。

そしてついに兼家の孫に当たる一条帝を即位させます。

幼い帝を補佐する役割として、兼家が摂政となり、ついに権力の頂点に上り詰めます。

謀略には息子の道隆、道兼そして道長も加担しています。

しかし、藤原兼家の時代は長く続かず、4年後にはこの世を去りました。

兄の道隆、娘の定子が入内!サロンに清少納言

父を継いで権力の座に付いたのは長男の藤原道隆でした。

娘の定子を一条帝に入内させ、自らは関白となり、権力を一手に握りました。

中宮となった定子と一条帝は仲睦まじい間柄でした。

高貴な女性は華やかなサロンを開きます。

定子のサロンには清少納言の姿もありました。

華やかな内裏に対して京の市中では疫病が蔓延し、まひろも罹患し、道長は看病をします。

兄たちが病没、道長が国政を担う。まひろは越前へ

権力の座にあった長兄、道隆は5年後に病没します。

そして、跡を継いだ次兄の道兼もすぐに病に斃れます。

思いがけなく、三男の道長が国政を担うことになりました。

まひろは越前守に就任した父について、越前国に旅立ちました。

定子は自分の兄弟たちの事件をきっかけに、ふさぎ込む日が続きます。

定子を励ますために清少納言は「枕草子」を書き始めました。

道長の娘彰子が入内、サロンにまひろ「源氏」始まる

権力者となった道長は自分の娘の彰子を入内させます。

当時、12歳でした。

一条帝と定子の間には子どもも産まれますが、定子はやがて健康を害し、亡くなりました。

定子を深く愛していた一条帝は「枕草子」を読み、思い出にふけります。

帝を彰子のサロンに呼びたい道長は、面白い物語を創れる女御を捜します。

まひろがサロンに呼ばれ「源氏物語」を書き始めるのです。

望月の道長!「源氏」も終わり新たな旅に出るまひろ

まひろの書く「源氏物語」は宮中で大ヒットとなり、一条帝も彰子のもとに通うようになります。

道長は3人の娘を次々に別々の帝に入内させ、外祖父の座を確固たるものとしました。

父兼家のようになることを嫌っていた道長は、いつしか父とそっくりになっていました。

帝を廃し、自分の孫を帝の座につけ、望月の如き道長の野望は成就します。

まひろは『宇治十帖』も書き上げ、従者乙丸とともに新たなる旅へ出かけます。

「光る君へ」のキャスト感想。新鮮な時代背景に大河では新鮮なキャスト

「光る君へ」のキャストは新鮮な顔ぶれでした。

いつもの大河俳優さんたちがほとんど出演していません。

中でも一条帝役の塩野瑛久さん、藤原隆家役の竜星涼さん、双寿丸役の伊藤健太郎さん、彰子役の見上愛さんなど、大河ドラマ初出演の皆さんの演技が光りました。

大河ドラマ初出演で最も注目したいのは清少納言こと、ききょう役のファーストサマーウイカさんです。

紫式部が主人公のドラマで、友だちであり、ライバルでもある役はとても重要です。

ファーストサマーウイカさんは幾多の顔芸で、曲者の少納言役を難なくこなしていました。

ちなみに、紫式部と清少納言は実際には面識がなかったというのが定説です。

ドラマでは難なくその壁を打ち破れるのが楽しいところです。

「光る君へ」感想。見どころは、女性主人公も巻き込まれる熱き女たちの争い

女性脚本家による女性主人公の女性が作る大河ドラマは、当然女性たちが光ります。

ここでは熱き女たちの争いを見てみましょう。

自分の家を反映させるために、多くの女性が戦う物語でもありました。

もちろん平安時代の女性は刃物を武器には戦いません。

権力と財力と魅力が武器です。

源倫子(黒木華さん)は道長の嫡妻で、おっとりしているようでしたが、実は芯の強い女性だったのです。

ブレーンには赤染衛門やまひろがいます。

母親の藤原穆子(石野真子さん)も強い味方です。

権力を争ったのは藤原定子(高畑充希さん)です。

清少納言がいて、かなり優勢でしたが、最後には敗れ去ります。

藤原詮子や藤原彰子の争う相手は、実の父親でした。

政争の道具として自分を使う父に、時として反発しました。

しかし、ふたりとも自分の家の繁栄だけを考えるようになります。

時代の流れの中で登場人物たちの個性がぶつかり合う

「光る君へ」に登場する人物たちのキャラクターをもう少し見てみましょう。

四納言と三芸人、キャスティングの妙が光る君たち

藤原公任、藤原行成、藤原斉信、源俊賢を四納言と言います。

四人とも大納言、あるいは権大納言の位に昇りました。

道長を補佐する良き仲間たちです。

「光る君へ」の三芸人といえば、乙丸役のカラテカ矢部さん、藤原斉信役のはんにゃ金田さん、そして、藤原実資役のロバート秋山さんですね。

三人ともギャグやお笑いは一切なく、素晴らしい演技でした。

かなり初期から登場し、最終回まで出演しています。

文学名作の作者登場「蜻蛉日記・栄花物語・更級日記」

教科書で見たことのある文学作品の作者も出演しました。

「源氏物語」と「枕草子」はもちろんですが、その他にも何人もいます。

「蜻蛉日記」の作者、藤原道綱の母や、「和泉式部日記」の和泉式部。

また、道長をかな文学で描いた「栄花物語」の作者は赤染衛門です。

最終回で「更級日記」の作者「菅原孝標の娘」も出演しました。

いい味を出しているふたり、藤原顕光と藤原道綱

番組の初期から最後の方まで出演していたお二人が、宮川一朗太さん演じる藤原顕光と、上地雄輔さん演じる藤原道綱ですね。

お二人共、せりぷが全くなしで、少ししか出演シーンがない回もたくさんありました。

ただ、平安時代の閣僚会議にあたる「陣定(じんのさだめ)」には、必ず座っているふたりです。

けっして、切れ者ではありませんが、なんとなくホッとする役柄でした。

大河ドラマ「光る君へ」の雅やかな政争はまるで現代ドラマ、ドラマが好きなら必見です!

「光る君へ」の特徴は、十世紀後半から十一世紀はじめにかけてが、舞台になっている点です。

平安朝のほとんど戦乱のない時代は、新鮮な感銘を受けます。

史料では紫式部と清少納言は面識がなかったのと同様に、紫式部と道長も幼馴染ではありません。

もちろん、藤原賢子は二人の子ではなく、紫式部の夫の藤原宣孝との子が定説です。

ただ、ドラマチックな花山帝の廃帝の事件や、同じく花山院へ隆家が矢を放つ事件、あるいは刀伊の入寇で隆家が活躍することは史実として残っています。

史実も虚構も、区別なくドラマに取り入れて、大傑作を生み出した脚本家、大石静さんの手腕が光ります。

ドラマ好きには必見のおすすめ作品です。

>>「光る君へ」を見る

>>「大河ドラマ 光る君へ ART BOOK (TVガイドMOOK)」

>>「矢部太郎の光る君絵 単行本 – 2024/12/23 矢部 太郎 (著)」

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