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#エール【安積歴史博物館】裕一が通う福島商業学校。ロケ地は福島県郡山市にある安積歴史博物館(旧福島県尋常中学校)でした。外観だけでなく教室や廊下、階段等内部も使われていました。明治22年、県内唯一の旧制中学校として開設された福島県尋常中学校の建物で、現在は歴史博物館として一般公開。 pic.twitter.com/4EeifoZY2M
— ひぞっこ (@musicapiccolino) 2020年4月12日
大正15年、裕一は福島商業学校で2回目の4年生で、福島ハーモニカ倶楽部の会員だった。
次の公演で独自作を演目に入れるが、その曲目は皆から募集すると聞いて、やる気になる裕一だった。
しかし、会長から専門の音楽の勉強もしていないのに、本気でプロの音楽家になれると思っていたのかと言われる。
一方、三郎の元には京都の吉野福之助から怪しい儲け話が持ちかけられる。
<ナレーション>
大正の末期、日本は第一大戦後の不況と関東大震災の影響に苦しんでいました。
どうにか抜け出そうとする空気の中にあって…。
●福島商業学校・教室
簿記の先生「一営業期間の損失 利益を書いて財産の増減高を明らかにする表であって」
「つまり 一定期間でいくら儲かったかの…」
<ナレーション>
留年した裕一は2回目の商業学校4年生を送っていました。
裕一は、授業中、五線紙を机の上に出して、作曲をしていた。
簿記の先生「それは そろばんの玉がね?」
(せきばらい)
裕一はバケツを持って、廊下に立たされる。
タイトルロール
●福島ハーモニカ倶楽部
<ナレーション>
大正から昭和の初め、ハーモニカは大流行。
売り上げはピアノやオルガンを越え、若者たちの倶楽部も数多く生まれました。
ハーモニカ部が練習をしている。
館林「よし 始めよう」
一同「はい!」
<ナレーション>
裕一の倶楽部は選び抜かれた社会人と学生で構成され、大きな会場で公演するほどの人気倶楽部でした。
●喫茶店
楠田「裕一からいってくれよ~」
裕一「その話 もう済んだって」
楠田「一旦はな」
<ナレーション>
この人 実は小学校時代 裕一をいじめていた2人組の史郎君。
楠田「だけどさ~」 「バスパートって むなしいんだ」
「ずっと『ブッブッ』ってさ…」
「一人で練習してっと時々 何の曲か分かんなくなんだがら」
裕一「ほかのパートのメロディー浮かべながら練習すれば…」
楠田「自分のパートのことで精いっぱいなんだって」
「俺もメロディー 吹ぎだいんだよ~」
「なっ 頼むって~」
裕一「わ…わ…」 「分がった」
楠田「ありがとう」
裕一「会長…」 「あの… お話が…」
館林「楠田はバスだ」 「今の技量ではそれしか任せられん」
「メロディーが吹きたいなら練習すろ」
「以上」
「ほかに用件は?」
裕一「い…いえ」 「はい…」
館林「では私から話がある」
館林「次の公演では独自作を1曲 演目に入れようと決めた」
「君は作曲が得意だと聞いた」 「やる気はあるか?」
裕一「あっ…はい!」 「ただ…ぼ…僕なんかが…」
館林「君だけじゃない。皆に募集する」
裕一「か…会長は?」
館林「もちろん書く」
「曲目は全員の投票で決める」
「もう一度聞く」 「やる気はあるか?」
裕一「はい」
楠田「どうだった?」
「うわ~…」
●呉服屋「喜多一」客間
<ナレーション>
小学生で西洋音楽に出会って以来、裕一はずっと音楽の勉強を独学で続けてきました。
母に買ってもらった卓上ピアノは商業学校の入学祝です。
(卓上ピアノの音)
浩二「母さんが卓上ピアノなんか買うがら 落第すんだよ」
まさ「買ってくれたら 勉強頑張るって言うから」
浩二「甘いよ」 「2人は兄貴に甘すぎる」
三郎「俺もがよ」
浩二「店が苦しくても蓄音機だけは売んねえし」
三郎「あれは おめえの誕生祝に買ったもんだべ」
浩二「残したのは兄貴のためだ。俺のためじゃねえ」
まさ「だからって 進路変えなくたって」
浩二「兄貴 このままじゃ また落第するよ」
「下手したら同級生だよ」
「絶対からかわれる」
浩二「僕 商業高校行くのやめて 高等学校目指す」
三郎「何もそこまで…」
<ナレーション>
当時 商売する家の息子は商業学校で学ぶのが普通でした。
●呉服屋「喜多一」裕一の部屋
浩二「兄ちゃん…」 「いいが?」
裕一「うん」 「何?」
浩二「俺 高等学校 目指すよ」
裕一「あっ そう」 「あっ いいんじゃない?」
●呉服屋「喜多一」客間
客の吉野が来ていた。
三郎「う~ん! うんめえ!」
「京都のお菓子はやっぱし違いますな」
「品がある」
吉野「それ 東京で買うたもんですけど」
三郎「えっ?」 「あら… それは」 「ハハハ…」
吉野「うそ。うそです」
「ハハハ…」
三郎「お人が悪い!」
(笑い声)
三郎「あっ それで今回」
「何かお話があっとか?」
吉野「あっ…」
<ナレーション>
このころ 三郎さんは京都の商品を福島の呉服店や百貨店に卸す問屋をしていました。
吉野「旦那さん 結構儲かってますやろ?」
三郎「おかげさまで。京都の柄はやっぱし違いますから」
「何ですかね~」
「この…」 「え~っと…」 「あの~」
吉野「もうちょっと商売広げる気ぃはないですか?」
●福島ハーモニカ倶楽部
裕一「うん?」
楠田「このあと お前んちでレコード聴ける?」
裕一「うん」
「多分 大丈夫だと思うよ」
「うわ~!」
楠田は裕一に新しいレコード集を見せる。
楠田「ヘヘヘ…」
「昨日 買ったんだ~!」
裕一「えっ すごい!」
楠田「見て見て見て…」。
裕一「どこで? どこで?」 「ああっ!」
楠田「父ちゃん 買ってきてくれたん」
裕一「す…すごっ…」
館林」「ちょっといいかな?」 「古山君に話があるんだ」
裕一「えっ」 「え…やめる?」 「どうしてですか?」
館林「実家の料亭を継がなきゃいけなくなった」
裕一「お…お…お兄さんは?」
館林「重い病気だ」
裕一「えっ…」 「か…会長」
「プロの音楽家になるって言ってたのにあ…」
「諦めんですか?」
館林「君 本気で言ってるの?」
裕一「えっ?」
館林「僕は東京の音楽学校に行った」
「そして知った」
「すごいやつは うようよいる」
裕一「えっ えっ…?」
「じゃあ…」
「じゃあ 何でプロになるって…」
館林「みんなを鼓舞するためだ」
「夢がないと努力できないだろう」
裕一「か…会長…」 「会長は僕の目標だったのに」
館林「君は本気で音楽家になるつもりだったの?」
●呉服屋「喜多一」店先
吉野「ほな」
客の吉野が帰っていく。
大河原「どんな話でした?」
三郎「すんげえ話だ!」 「京都の呉服 一手に引き受ける!」
桑田「ええっ!?」
三郎「もう福島だけじゃ収まんねえ!」
「東北全部が商売相手だ」 「ハハハハ!」
桑田「すげえな」
及川「すごいですね」
桑田「東北全部だってよ」
大河原は不安な顔をする。
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エール第11話の見どころ・感想
古山裕一のモデルとなった古関裕而とはどんな人?
ミュージカル俳優が大勢出演!
卓上ピアノを使って作曲をするシーン。
音楽指導の先生に動きを教わっている窪田さんです🎹#朝ドラエール#窪田正孝 pic.twitter.com/znR0D1wq34— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) 2020年4月12日
●川俣・権藤家
源蔵「あと一年だ」
「渡さねば家族の縁を切ると まさに伝えろ」
「念のため 再婚相手も見繕っといた」
「選んどけ」
茂兵衛「絹子の病状が回復して…」
身の程を知る?
●呉服屋「喜多一」裕一の部屋
裕一は卓上ピアノをたたきながら、作曲をしている。
(回想)
館林「本気で音楽家になるつもりだったの?」
「ちゃんとした音楽理論も学んでいない」
「演奏できるのはハモニカと卓上ピアノだけの君が どうして音楽家になれるの?」
館林「ハハッ」 「君 モーツァルトのつもり?」
「確か6歳で宮殿で演奏し8歳で交響曲を書いた」
館林「君はどうだ?」 「ハッ!」
「夢はいくらでも持ちたまえ」
館林「ただ」 「人間 身の程を知ることも大切だよ」
(回想おわり)
裕一は、作曲中の五線紙を鉛筆で消して、投げ捨て、仰向けに寝転んだ。
裕一「ああ~!」
●呉服屋「喜多一」廊下
まさ「兄さんが来てんの」 「客間に通した」
三郎「こんな時間に?」
西洋音楽の作曲家になりたい
●呉服屋「喜多一」裕一の部屋
裕一「くそ~…」
三郎「おい」 「いいが?」
三郎が裕一の部屋に入ってくる。
裕一「あっ」 「うん うん…」
三郎「あ~あ もったいねえな」
三郎は散らばった五線紙を拾い集めた。
裕一「えっ…」 「な…何?」
三郎「実はな」 「さっき 茂兵衛さんが来た」
裕一「まさか…また養子の話?」 「や…やだよ 僕」
三郎「音楽家になりてえか?」
裕一「お…小山田先生のような…西洋音楽を作曲する音楽家になる」
三郎「おっきな夢だな」
裕一「えっ?」 「と…と…父さんも…無理だって思ってんの?」
三郎「おめえは長男だ」
「家を継ぐことは考えたことはねえのか?」
裕一「お…音楽家になれって…」
裕一「好きなこと…好きなこと」
「得意なことに力尽くせっ言ってくれたじゃない」
三郎「成長すっと変わる場合もあんだろ」
裕一「変わんない…」 「逆に 日々 募ってる」
三郎「とはいえ」 「落第するんのはどうかと思うがな」
裕一「ご…ご…」 「ごめん…」
三郎は微笑む。
三郎「おめえの気持ちは分がった」
「おめえの夢は俺の夢でもある」
「頑張れ」
三郎は裕一の肩に両手を置いて、励ました。
裕一「ありがとう」
●呉服屋「喜多一」三郎まさの寝室
三郎は寝床で、茂兵衛の話を思い出していた。
(回想)
茂兵衛「もし養子に出さなければ権藤家と古山家は絶縁だ」 「頼む!」
(回想おわり)
三郎「まさ…」 「いいのが?」
まさ「私は古山家の 人間です」
●福島商業学校・教室
簿記の先生「自分の商業に満足すんのではなく 努めて共同の力を養い、
アメリカなどに向がっていかねばならない」
「この言葉について…」
「古山 どう思う?」
裕一は、授業中寝ていた。
<ナレーション>
夜遅くまで頑張っても、全く曲が書けませんでした。
●福島商業学校・廊下
簿記の先生「お前 このままでは…」
裕一は、また、バケツを持って廊下に立たされていた。
裕一「ら…落第…」
簿記の先生「退学 だぞ」
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