エール第36話の無料動画と見逃し放送配信情報! 早稲田大学応援部

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古山家に、早稲田大学応援部が押しかけてきた。

早慶戦で早稲田は、慶応に11連敗を喫していた。

早稲田の応援団員たちは、
慶応義塾の新しい応援歌「若き血」に対抗する心沸き立たせるような新しい応援歌を
若い作曲家に作ってもらうことが必要だと考えていた。

公募で決定している詩「紺碧の空」に、曲をつけてほしいと裕一は頼まれる。

早慶戦まで2週間。 作曲期間は10日間とのことだった。

●古山家・書斎

田中「古山裕一先生はおりんしゃあとでしょうか?」

裕一「はい?」
  「何でしょう?」

田中「失礼します!」

(玄関扉が開く音)

(廊下を歩く大勢の足音)

裕一は仕事部屋の扉をあける。

裕一「はい… はい」
  「うん? な…何?」
 
裕一「えっ? 何何何?」 
  「何…? おお」
 
裕一「おお…うん?」 
  「うん? うん?」

裕一は仕事部屋の壁際に追い詰められる。

田中「私は早稲田大学応援部5代目団長 田中隆ち言います!」

裕一「へっ?」

田中「この度は我が応援部の新しか応援歌 作曲ば お引き受け頂きありがとうございます!」

裕一「お お…?」
  
裕一「えっ 何の話?」

田中「僭越ながら エールば 送らせて頂きます!」

裕一「エ… エール?」

田中「おい!」

一同「はい!」

裕一「あの…」

一同「失礼します!」

裕一「あっ あの…」
  「何で?」
  
裕一「いや あの…」

田中「フレ~!」

裕一「あの ちょっと…」

田中「フレ~!」

裕一「声が…」

田中「こ や ま~!」

裕一「声が大きいです」

田中「それ~」
  「はい!」

一同「フレ フレ 古山!」

裕一「声が…」

一同「フレ フレ 古山!」

音も仕事部屋に入ってきて、困った顔で見ていた。

裕一「音?」
  
裕一「音… ちょっと 何?」
  
裕一「これ」
  「すいません…通してもらってもいいですか?」

田中「よ~し」
  「景気づけに いつもの いくばい!」

一同「はい!」

裕一「えっ?」

裕一は胴上げされる。

一同「わ~っしょい わ~っしょい!」

裕一「下ろして~!」

一同「わ~っしょい!」

タイトルロール

裕一は仕事部屋で腰を触って横たわっていた。

裕一「痛い 痛い」
  「痛い痛い…」

音は裕一の腰に手をあてていた。

音「ここ?」

裕一「いや もっと上」
  「上 上…」

音「ここ?」

裕一「あっ!」
  「もっと下 下…」

音「ここ!」

裕一「あ~痛い痛い!」
  「痛い痛い…」

(応援部員の笑い声)

音「病院 行った方がいいかもね」

田中「先生がやめろ言うたけん」

裕一「浮いてる時にやんなくてもいいでしょ?」

田中「ああ…。申し訳なかです!」
  
田中「おい!」
  「罰として腕立て100回ばい!」

一同「はい!」

裕一「いいから…」

田中「1!」

裕一「あ~ もういいから…」

田中「2!」

裕一「やめて~!」

田中「はい!」
 
田中「あっ…」
  「やめ!」

一同「はい!」

裕一「いろいろ あの…混乱してっから」
  「整理して話して」

<ナレーション>

事の始まりは明治36年。

早稲田大学の野球部が慶應義塾大学に挑戦状を出したことから始まりました。

一時は両校の応援が盛り上がり過ぎて中止になるも 東京六大学野球の創設をきっかけに復活。

早慶戦はラジオの普及に伴って空前の人気を呼び 国民的関心事となりました。

●早稲田大学応援部・部室

村田「これで慶應に11連敗だ!」

小熊「ああ~!なんたる惨劇!」
  「我が校 始まって以来の屈辱だ!」
  
小熊「チクショー!」

慶應の応援歌「若き血」を歌う慶應大学応援部の映像。

<ナレーション>

実はこの連敗は 慶應義塾の新しい応援歌「若き血」が歌われだした頃から始まったのです。

当時 応援歌は勝敗を左右するほどに大きな力を持っていたのです。

田中「俺らにも 新しか応援歌が必要ばい」
  
田中「今までん お行儀よか歌やなか」
  
田中「心沸き立つ歌が必要ったい!」

一同「オ~!」

<ナレーション>

詞は学生たちから公募しました。

村田「貼ってこい!」

団員「はい!」
  
団員「行くぞ!」 

一同「はい!」

<ナレーション>

当時 早稲田の教授であった詩人 西條八十に選考を頼みました。

団員「そ~れ」
  「かっ飛ばせ!」
  「かっ飛ばせ!」

<ナレーション>

30の詞の中から西條八十が選んだのは 高等師範部3年生 住治男の詞でした。

西條「一字も直す必要がない」
  「いい詞だ」

<ナレーション>

それはその後 歌い継がれることになる「紺碧の空」でした。

田中「紺碧の空 仰ぐ日輪」
  「光輝あまねき 伝統のもと」
  「すぐりし精鋭 闘志は燃えて」 
  「理想の王座を 占むる者われ等」 
  「早稲田 早稲田」
  「覇者 覇者 早稲田」

小熊「おお~!」

田中「すばらしか~!」
  
田中「これこそ 我々が求めとった歌ばい!」

(拍手と歓声)

小熊「団長 団長!」
  「曲はどうしましょう?」

  
小熊「詞の募集に時間をかけ過ぎて 秋の早慶戦まで2週間しかありません」

田中「あいた~…」

小熊「事務局に相談しましょうか?」

田中「いや! また大御所の先生になる」
  
田中「もっと若か… 血潮のたぎっとう者がよか!」

小熊「見込みがあるのですね!」
  「さすが団長です!」

(拍手)

一同「団長…団長~!」

田中「ん~!」
  
田中「なか!」

一同「団長…」

田中「いや 誰か そげんやつ知らんね?」
  「誰か知らないのか?」

小熊「いや~…」

佐藤が手を挙げた。

田中「佐藤 言い」

●東京帝國音楽学校・教室

音と潔子が廊下を歩いていた。

潔子「う~ん もうちょっと言い方とか…」

反対側から早稲田大学応援部がやってきた。

潔子「何 あれ?」

音「さあ?」

久志が教室でピアノをひいて歌を歌っていた。

女子生徒たち「キャ~!」

応援部が教室に入って来た。

田中「失礼します!」

小熊「失礼します!」

村田「失礼します!」

寺門「失礼します!」

田中「早稲田大学応援部5代目団長 田中隆ち言います」
  
田中「先に連絡ば すべきやったとですが」 
  「居てもたってもおられんで 押しかけてしまった失礼 おわびします」

久志はいとこの幸太郎に気が付いた。

久志「幸太郎か!」
  
久志「これ何?」

●東京帝國音楽学校・中庭

音と久志が話をしている。

音「応援歌か…」
 
音「裕一さん やるかな~?」

久志「あいつ このままじゃ駄目になるよ」

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エール第36話の見どころ・感想

古山裕一のモデルとなった古関裕而とはどんな人?

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前回のお話はこちら

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早稲田大学応援部 来襲

●古山家・玄関前

音「何?」
 
音「あっ…あっ」
 「あっ あっ…」

田中「古山裕一先生はおりんしゃあとでしょうか?」

裕一「はい?」
  「何でしょう?」

田中「失礼します!」

音「待って待って」
 「待って…待って!」
 「待って待って!」
 
音「ちょちょ…止まって!」
 「止まって!」
 
音「あっ!」

●古山家・書斎

音「というわけなの」

裕一「久志が…」

音「本当は裕一さんの ちゃんと了解を得てから来てもらおうと思っとったんだけど」

裕一「あ~いやいや」
  
裕一「あの…早稲田の応援歌とは こ…光栄です」

田中「おお…」

幸太郎「ハハハハ…」

田中「では お受け頂けるとですか?」

裕一「いや あの…今 いろいろあって」
  
裕一「自分の曲も作れずにいる状態で あの…ごめんなさい」

田中「そこば どげんかして!」

一同「お願いします!」

裕一「あっ…」
  
裕一「ど…どうしょう?」

音「私はやるべきだと思う」

裕一「どうして?」

裕一「だって…」

(回想)

久志「早稲田の応援歌って 結構 偉い人が作ってて 小山田先生も名を連ねてる」

(回想おわり)

裕一「そ…そうなの!?」

田中「第一応援歌です」

音「先生と同じ土俵に立つってことでしょう?」
 「名誉なことじゃん!」

裕一「し…締め切りは?」

田中「10日後でお願いします!」

裕一「急ですね…」

田中「秋の早慶戦が2週間後に迫っとうとです」
  
田中「練習も…せんといかんけん」

田中「何とぞ!」

田中「おい」

幸太郎「はい!」

「紺碧の空」の作詩文面を出した。

裕一「うん?」

裕一は作詩文面を見る。

 
裕一「わ…分かりました」
  
裕一「あの…」
  
裕一「や や…やります」
  「やります…」

田中「うわ~! 
  
田中「先生~!」
  
田中「慶應の『若き血』ば超えて下さい!」
  
田中「必ず!」

裕一「はい…」

<ナレーション>

とはいえ…裕一にもお仕事があるわけで。

裕一 山藤との出会い

●コロンブスレコード・第一スタヂオ

裕一「ああっ」
  「あっ あっ 廿日市さんは?」

杉山「こちらです」

裕一「はい はい…」

廿日市は木枯の曲をレコーディング中だった。

山藤が歌を歌い、

木枯は他の楽器奏者とともにギターを弾いていた。

山藤「丘を越えて行こうよ」
  「小春の空は 麗らかに澄みて」
  「嬉しいこころ 湧くは胸の泉よ」
  「讃えよ わが青春を」
  「いざ開け 遠く希望の鐘は鳴るよ」

廿日市は調整室でペンを振って一緒に歌っていた。

廿日市「いいよ これ!」
   「また当たるよ!」
   
廿日市「これ 売れちゃうよ!」
   
廿日市「よかったですよね? これ」
   「いや~ 特に歌い出し!♪『丘を越えて行こうよ』」

裕一「廿日市さん…」
  「あの…」

廿日市「何か心が躍るよね…」
   
廿日市「あっ! いたの?」
   
廿日市「何?」

裕一「す…すいません」
  「あの…か…書けませんでした」

廿日市「はあ!?」

裕一「す…すいません!」

廿日市「まあ いいよ」
   「これが大ヒット間違いなしだから」

裕一「『酒は涙か溜息か』とは全く違う明るい曲ですね!」

廿日市「そう?」
   
廿日市「どっちも分かりやすいよ」
   
廿日市「君の作る曲より全然」

裕一「ハハ…」

廿日市「笑い事じゃないよ」

裕一「じゃあ…」

山藤が調整室に入って来た。

山藤「お疲れさまでした」

廿日市「山藤君 よかったよ~!」 
   「すばらしい歌声だった!」 
   
廿日市「喉渇いたでしょ?」 
   
廿日市「座って座って」

山藤「ありがとうございます」

裕一「廿日市さん」
  「あの じゃあ 僕…」

廿日市「あっ 彼ね 木枯先生と同時に契約した古山よういち君」

裕一「あっ…ゆういちです」

廿日市「まだヒット曲はおろか 一年で一枚もレコードを出してないんだよ」
   
廿日市「何か言ってやってよ」

山藤「山藤太郎です」
  
山藤「頑張って下さい」

裕一「あ…ありがとうございます」

山藤「ご卒業はどちらですか?」

裕一「福島商業です」

廿日市「彼はね 国際作曲コンクール…だったっけ?」
   
廿日市「それで二等だったの」

山藤「勉強はどちらで?」

裕一「独学です」

廿日市「アハハハ…笑っちゃうよね 独学だって」
   
廿日市「ハハハハ…」

廿日市「この山藤君はね 慶應義塾からの 東京音楽学校声楽科 エリートだ」

裕一「慶應から東音ですか?」

山藤「はい」
  「どうしても歌がやりたくて」

裕一「何で こんなことしてるんですか?」

山藤「家庭の事情でお金が必要なんです」
  「なので…山藤太郎も偽名です」

裕一「あっ すいません…」
  「余計なことを聞いてしましまして」

廿日市「えっ ちょっと待って」
   
廿日市「今の質問 どういう意味?」

裕一「いや…」

廿日市「ねえ…」
   「『何でこんなこと』って」

裕一「あっ いや…」

廿日市「ちょっと古山君?」

裕一「あっ いや…」

廿日市「返答によっちゃ 俺 怒るよ」

裕一「違う」
  「あの…変な意味じゃなくて…」

廿日市「えっ?」
   「うん? うん?」

木枯も調整室に入って来た。

木枯「廿日市さん」

廿日市「は~い」
   「先生 どうしました~?」

木枯「ごはん 食べ行きませんか?」
  「おなか すきました」

廿日市「いいですね!」

廿日市「じゃあ 銀座煉瓦堂のオムライスなんて いかがでしょう?」

木枯「いいですね~」

廿日市「かしこまりました~」

廿日市「ほら 山藤君も一緒に行くよ」
   
廿日市「ほら」

調整室からの出際に、木枯は、裕一に言った。

木枯「あとで サロンにいて」

裕一「う…うん」
  
裕一「失礼します」

技師が裕一に声をかけた。

小田「君」
  「新人?」

裕一「あっ はい」

小田「君みたいな人 いっぱい見てきたよ」
  
小田「己にこだわって 才能を生かせない人」

技師は裕一の肩をポンポンと叩いて、出ていく。

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