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今日はバンブー夫婦のなれそめをお届け🎋✨
保が店主をしていた古本屋で出会った2人。
本の話で盛り上がり、恵はお店に通うようになっていました📕#朝ドラエール#仲里依紗#野間口徹#3月中旬に撮影 pic.twitter.com/iFGfintuBm— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) June 16, 2020
裕一と音は「バンブー」のカウンターでコーヒーを飲んでいた。
裕一は「バンブー」という店の名前の由来を保に聞いた。
●喫茶店「バンブー」
裕一「あの・・今更なんですけど…」
保「うん?何?」
裕一「バンブーって店の名前 どっから付けたんですか?」
保「あ~それね・・」
恵「この人 昔 古本屋の店主だったの」
裕一と音「えっ?」
今日はバンブーの2人 保と恵の物語。
オープニング・シーケンス
<十年ほど前 神田>
●神田・天岩堂書店
古本屋の常連、木下が今日も来ていた。
木下は購入する本を帳場にもってきた。
保が座っている。
保「62銭」
木下はお金を払いながら、保に話しかける。
木下「今年はご両親の七回忌だろう」
「親戚とか集まんのかい?」
保「みんな疎遠だから僕だけでやります」
「中 汚れてたから2銭引いときます」
木下「いいよ いいよ」
「読めりゃ一緒なんだから」
木下「なあ 余計なことかもしれないが もうちっと外に出たらどうだい?」
保「外は嫌いです」
木下「ここにずっと座ってるのは体にも心にもよくねえよ」
「前みたいに うちの店にコーヒーでも飲みに来いよ」
保「木下さんにコーヒーのいれ方を教わったんです」
「同じものが飲めるのに 何でお店に行かなきゃいけないんですか?」
木下「コーヒーを楽しむってのは 場所とか空間とか 雰囲気とかもあるわけで」
保「まっ 僕のは更に進化してますけどね」
保は「最新珈琲培養法」という本を木下に見せた。
女性(恵)が店に入って来た。
木下「あっ・・・」
「おっ・・若いお嬢さんなんて珍しいな」
木下「じゃあ また来るわ」
保「は~い」
(物音と悲鳴)
店の奥にいた恵が本を崩してしまった。
恵「あっ・・ご・・ごめんなさい!」
保「気を付けて」
恵「ありがとう」
保「いや 本が傷みます」
恵「うん?」
恵は床に落ちた1冊の本を手に取る。
恵「『吾輩は猫である』の初版かな?」
保「奥付を見ないで どうして分かったの?」
保は夜、部屋でお茶漬けを食べていた。
(回想)
店の帳場で、恵が保に説明をしている。
恵「夏目漱石の『吾輩は猫である』は 上・中・下巻に分かれています」
「でも上巻に『上』の表記がないのは そもそも一話完結のつもりで発刊したから」
保「だから表紙だけで・・・」
恵「処女作が『吾輩は猫である』なんて もうすばらしいですよね!」
「漱石の中では何がお好きで?」
保は奥から、『こころ』の本を取ってくる。
保「やはり・・・『こころ』かな」
恵「それじゃあ 最初の見返し裏にあるラテン語が書いてあるの知ってます?」
保は本を開く。
保「見逃してた・・・」
「何て書いてあるんだ?」
恵「『学は長く人生は短い』 ヒポクラテスの格言」
(回想おわり)
保「『学は長く人生は短い』」
保は畳に仰向けになった。
保「二宮・・・恵」
それから毎週木曜日 恵はお店に来るようになりました。
一度 来ない木曜日がありました。
戸を開けて木下がやってきた。
木下「ヘヘヘヘヘ・・」
「はあ~こんな時間まで開けてやがって」
保「本の整理をしてただけです」
木下「お~怖っ」
「恋する男はけなげだねえ」
そうして 3か月が過ぎたある日。
恵「保さん あの・・」
保「はい?」
恵「あっ・・ここにいると 気持ちが落ち着きます」
「では」
恵は店を出て行く。
その様子を木下が見ていた。
木下「いい子だな」
「どうなの?」
保「どうって何が?」
木下「またまた~分かってるくせに」
「ずっと一人でいいの?」
保「僕は一人で十分満足」
帳場の前に男の子が立っていた。
保「うん??」
木下「親戚の子」
「遊びに来たの。無類の本好き」
久志「こんにちは。佐藤久志です」
「保さんの状況はおじさんから聞きました」
「楽しいのに進展しない時間が続くと 女性は男性を恋愛対象から友達へと認識を変えてしまいます」
「早く勝負をかけた方がいいと思います」
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エール第58話の動画配信を見る方法
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エール第58話の見どころ・感想
古山裕一のモデルとなった古関裕而とはどんな人?
ミュージカル俳優が大勢出演!
木下と久志からの後押しで、恵に思いを伝える決意をした保🔥
このとき勇気を出したおかげで今があります😊それにしても、久志と保が裕一と出会う前に会っていただなんて、不思議な縁ですね👼💘#朝ドラエール#野間口徹#井上順#山口太幹#3月中旬に撮影 pic.twitter.com/Cfhm0j8s6Z
— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) June 17, 2020
保を変えたのは子供の頃の久志だった
●喫茶店「バンブー」
裕一「た・・保さん・・その子 あの 蝶ネクタイしてなかった?」
保「あ~してた してた」
裕一「ほら 佐藤久志だよ!」
「音の友達のほら。そこで劇やったでしょ? 一緒に。『ヴィオレッタ~!』って」
(回想)
保「ヴィオレッタ~!」
久志「カ~ット!」
(回想おわり)
保「あ~!」
音「すごい! 保さんと久志さんが昔 出会ってただなんて」
裕一「ねえ!」
保「そう・・しかも 彼が恋のキューピッドなんだ」
裕一と音「えっ? えっ?」
●神田・天岩堂書店
久志「なぜ行動に出ないのですか?」
「彼女のこと 好きでしょ?」
保「はい」
木下「えっ?」
保「子どもにはうそはつけない」
久志「あなたはずっと自分をごまかして生きてきた」
保「ちょっと はっきり言い過ぎだぞ~」
久志「一人でいるのは好きだが 彼女のことも好きだ」
「自分の中でどちらも欲しい」
保「この子 何者?」
木下「議員の息子」
久志「これまでの関係が気まずくなるのも嫌」
「自分が傷つくのも嫌」
保「ああ・・この子としゃべってると自分が愚かでどうしようもない存在に思えてくる」
久志「ある本に書いてありました」
「人は行動することで自分を変えられると」
「言いかえれば 人は考えてても自分を変えることはできないということです」
「全ては行動です。まずは食事に誘ってみましょう」
そして数日後、恵がまた店にやってきた。
恵「こんにちは」
保「はい」
「い・いらっしゃいませ」
恵「どうしたんですか?」
恵が寄っていくと、保は距離をとった。
保「いえ 何も」
恵「今日・・ちょっと変ですよ」
保「あっ・・そうだ!」
「コーヒー飲みます?」
恵「あっ・・ありがとうございます」
保は奥の台所でコーヒーを準備する。
保「大丈夫。やれる・・やれる」
保は震える手でコーヒーを出す。
保「め・恵さん どうぞ」
恵「ありがとうございます」
「保さんのコーヒー おいしい」
保「ありがとう」
保は改めて恵の前に座り直す。
保「あ・・あの~・・」
恵「はい」
保「あの・・今度よかったら・・。ご・ご・碁でもやりませんか?」
恵「碁?」
保「碁」
恵「教えて下さい!」
保「はい」
夜、木下と久志は保の部屋に来ていた。
木下「ご・ご・碁って」
保「そんな簡単に人は変われませんよ」
木下「いいの? このままで」
「一生 ここで一人で本だけが友達でいいの?」
保「ああっ・・何で彼女 この店に来たんだろう」
「あ~まあ ともかく今は碁だ。碁を習得せねば」
木下「おい・・今日はおとなしいな」
「どうした?」
木下は、久志に声をかけた。
久志「お二人は鈍いな」
「僕は彼女が帰る時に気付いたんですよ。左の薬指」
当時 日本では婚約指輪の慣習はまだありませんでした。
久志「外国では婚約の時に男性から女性に指輪を贈る習慣があります」
「恐らく恵さんは外国人の男性から求婚されてるかと」
保「あっ・・そういえば話の端々で外国人の・・」
(回想)
恵「『竹取物語』を外国の人に読んでもらったら『これは宇宙人の話?』って」
「1000年以上も昔にこんな話考えるなんてアメージングだって」
久志「彼女 このまま月に行ってしまいますよ」
「行動するなら今しかない」
保「でももう・・婚約者がいるわけだし」
木下「駄目もとでも やってみればいいじゃない」
保「駄目だと分かってて やる必要ないでしょう?」
久志「あります」
保「どうして?」
久志「あなたがこの店を一歩出れば 全てが変わります」
保「変わらないよ」
久志「変わります!」
「言ったでしょ? 全ては行動です」
「結果は変わらないかもしれない。恵さんは得られないかもしれない」
「しかし あなたは変わります」
「人生の分かれ道は突然やってきます。そこで行動すれば 全てが変わります」
保「久志・・君は何者だ?」
木下「議員の息子とはいえ」
久志「僕もいろいろありました」
「僕は行動しました。あなたにも行動してほしい」
木下「保君 行け」
「店の外には君の未来がある!」
保「ずっと一人で生きてるつもりだったけど 間違ってました」
「木下さん 久志君 ありがとう」
「月からかぐや姫を奪ってきます」
保の恵へのアタック
●喫茶店「バンブー」
裕一「それで どうなったの?」
恵「はい! 私 やってみるね」
恵は、保のことを再現してみせる。
恵「彼と2人で歩いてたら突然目の前にやって来て・・」
「ぼ・ぼ・僕はあなたのことが全身全霊で好きです! 僕は今まで過去に生きてきました」
「でもあなたと出会って 初めて未来を見ることができたんです!」
「失礼ですが、彼より僕はあなたのことを幸せにできます!」
「ぼ・ぼ・僕と結婚して下さ~い! アハッ・・」
「って叫んだの いきなり」
音「かっこいい!」
裕一「えっ それで・・」
「恵さん 何て言ったの?」
恵「それがね 左手の薬指にそういう意味があるなんて 私知らなかったの」
「ただのファッションでつけてただけ」
裕一「久志 ミラクルだな~」
恵「外国人の彼も学生時代のただの友達」
「その彼がもう感動してて。『これが日本の武士道か』って」
音「バンブーって名前もそこから?」
保「そう」
「2人でお店やろうってなった時に彼女が考えたんだ」
恵「ほら 竹って根がすごいでしょ?」
「私 もうずっとこうやってふわふわして生きてきたから しっかり地に足つけなきゃって思って」
「そういう意味も含めてね」
音「へえ~久志さんって すご~い」
(口笛が聞こえてくる)
偶然、久志が「バンブー」にはいってきた。
恵「あっ!」
裕一「うわっ!」
明日からは双浦環 若き日の物語です。
久志「えっ?」
「何 何? どうしたの?」
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