市村鉄之助はどんな性格の人物?エピソードや逸話が面白い

新選組副長土方歳三の最後の小姓(こしょう)市村鉄之助。

あなたは知っていますか?

大河ドラマ「新選組‼」のスピンオフドラマとして2006年の正月に放映された「土方歳三最期の一日」では、池松壮亮さんが演じていました。

可愛くてけなげな鉄之助にウルウル・・・しちゃいます。

今回は市村鉄之助について

  • 市村鉄之助の生い立ちと家族とは?
  • 市村鉄之助の逸話から見る人となり
  • 土方歳三と市村鉄之助

などを紹介します。

こちらを読めば、市村鉄之助は、実際はどんな人物だったのかよくわかります。

市村鉄之助が登場するアニメや漫画、小説・ドラマがもっと楽しく見られますよ。

ぜひ最後まで読んでください。

 

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市村鉄之助の生い立ち・家族とは?

市村鉄之助は、安政元年(1854年)に美濃大垣藩(岐阜県大垣市)藩士市村半右衛門の三男として生まれます。

長男は後に一緒に新選組に入隊する辰之助(しんのすけ・たつのすけ)です。

市村家は代々大垣藩戸田氏に仕えてきた由緒正しい家でした。

大垣から追い出された市村家

父半右衛門も蔵奉行、槍奉行を努めていましたが、安政5年(1858年)突然国を追放されてしまいます。

理由は定かではありません。半右衛門が何らかの失敗をしたのか、藩主に嫌われたのか。

どちらにしても、市村家は大垣を出ることになります。

  • 万延元年(1860年) 市村家は親類を頼って近江の国の国友村へ移り住む
  • 文久3年(1863年) 父半右衛門が亡くなる

兄と共に新選組に入隊

父が亡くなってからの市村家がどうなったのかは、明らかではありません。

ですが、主君を持たない浪人たちは、いずれも生活が厳しいものでした。

  • 慶応3年(1867年) 兄辰之助と共に新選組に入隊

新選組に入隊した時、鉄之助はまだ14歳でした。

そのあまりの幼さに局長の近藤勇や副長の土方歳三も入隊させることをためらいましたが、鉄之助の覚悟を知り、またその当時の新選組の人手不足もあり、入隊を許しました。

土方歳三付きの小姓(身の回りの世話屋雑務を行う)となる

鉄之助は、土方歳三付きの小姓(身の回りの世話屋雑務を行う)として、辰之助は、近藤勇付きの見習い隊士に配属されました。

その後新選組は全員が幕府直参となり、鉄之助もわずか14歳で幕臣になります。

父が大垣藩を追われてから、10年目のことでした。

新選組隊士市村鉄之助のエピソードとは?

鉄之助兄弟が新選組に入隊し、幕臣となってからすぐ、世の中は大きく動きます。

  • 慶応3年(1867年)10月 大政奉還
  • 同年       12月 王政復古の大号令

幕臣という身分もすぐの崩壊してしまいました。

鳥羽伏見の戦いを迎える

新選組は、来たる薩長との戦いに備え伏見奉行所への移動を命じられます。

  • 慶応4年(1868年) 1月 鳥羽伏見の戦

数に勝る旧幕府軍は、始めのうちは優勢でしたが、次第に押されてゆきます。

そして岩倉具視らの画策で薩長軍に錦の御旗が掲げられると、旧幕府軍の味方から薩長軍に寝返る藩が次々と出ました。

新選組や旧幕府軍は、大坂まで引き上げ、体制を立て直すつもりでしたが、大将の徳川慶喜は、さっさと江戸へ逃げ帰ってしまいました。

戊辰戦争の初戦となった鳥羽伏見の戦いは、旧幕府軍の敗北。

その後江戸に舞台を移しての戦も勝つことはできませんでした。

新選組から脱走しなかった鉄之助

  • 慶応4年(1868年)3月 新選組は甲陽鎮撫隊として勝沼の戦に挑むが、大敗

勝沼の戦の後、鉄之助の兄辰之助は、新選組を脱走しようと言います。ですが、鉄之助は、新選組に残ることを選びます。

入隊からまだ半年ほどの鉄之助が、なぜ脱走しなかったのでしょう。

それは、土方歳三の小姓に付いたことが大きな理由です。

市村鉄之助と土方の関係は、後ほど紹介しますので、今しばらくお待ちを。

土方歳三が指揮を執り始め、会津へと向かう

  • 慶応4年 4月 新選組は流山(千葉県流山市)に布陣 近藤が捕縛
  •    4月25日 板橋宿で断首される

近藤が捕まった後は、土方が指揮を取り、新選組は会津へ向かいます。

  • 同年 10月 土方と共に蝦夷(北海道)へ渡る
  •    11月 松前城攻撃
  • 明治2年(1869年) 4月 新政府軍の攻撃が再開

この頃、土方が鉄之助に函館からの脱走を命じます。

  • 同年 7月頃 土方歳三の姉のぶの嫁入り先である佐藤彦五郎宅へ到着

鉄之助は、土方に託された遺品を無事届けることができました。

現在残っている土方歳三の写真は、このとき鉄之助が命がけで届けたものです。

佐藤家では、鉄之助を2年ほど匿います。

大垣へと帰郷

  • 明治4年(1871年) 佐藤家を出て、大垣に帰郷する

鉄之助が佐藤家を出るとき、佐藤彦五郎は多額の餞別を持たせて帰しました。

佐藤彦五郎は、土方歳三を本当の弟のようにかわいがり、新選組の結成当初、お金に困っていた土方達に度々大金を送金するなど、土方と新選組をずっと陰で支えてきた人です。

その土方が鉄之助に託した思いを、彦五郎はしっかりと受け取っていたのです。

そして土方を心底敬愛している鉄之助を旧幕府軍の残党を血眼で探していた新政府から守り切ったのです。

  • 明治5年(1872年) 兄辰之助が亡くなる

鉄之助の最期

鉄之助に最期には、二通りの説があります。

  • 明治6年(1873年) 鉄之助、大垣で病死
  • 明治10年 (1877年) 西南戦争に参加 田原坂で戦死

大垣には、兄辰之助と共に鉄之助の墓がありますので、病死が真実なのかとも言われます。

ですが、新選組の生き残り、島田魁からの言い伝えでは、西南戦争で西郷隆盛側につき、新政府と闘って戦死したと言われています。

どちらが真実なのかは、今のところ分かっていません。

心情的には西南戦争で最後まで新選組隊士として、闘い続けたんだと思いたくなりますね。

市村鉄之助と土方歳三

イケメンで有名な土方ですが、もし鉄之助が命がけで函館から戻ってこなかったら、あの土方の写真はなかったのです。

土方の目的は、もちろん自分の写真を鉄之助に託すことだけではありませんでしがた。

自らの死を覚悟した時に、まだ幼い鉄之助を道連れにすることは避けたかった気持ちも大きかったでしょう。

実は、鉄之助以外にも年少の隊士がいました。

田村銀之助・玉置良蔵・上田馬之丞(うまのじょう)たちです。

ですが、明治2年4月ごろには、上田葉既に戦死し、玉置は病死していました。

田村は土方の計らいで榎本武揚付きになっていましたので、この先おそらく命を落とすことはないだろうと土方は考えていました。

残るは鉄之助だけです。

土方は、鉄之助について

「とても勝ち気で負けず嫌いだが、その性格には冷静沈着なところもある」

と評しています。

兄は途中で脱走したにもかかわらず、北の果てまで自分に付き従ってきた鉄之助をとても可愛がっていました。

鉄之助も入隊以来従ってきた土方を敬愛していました。

鬼の土方と言われ、新選組隊士の多くから恐れられていた土方。

でもすぐ近くにいた鉄之助には、土方の別の顔が見えていたのです。

20歳近く歳のはなれた土方に、鉄之助は憧れや尊敬の念を持っていたのです。

本当の兄より、土方を選んだ鉄之助は、最期まで土方と共に戦いたかったことでしょう。

でも、土方は鉄之助を脱走させました。

無事に日野の佐藤家に辿り着いた時の鉄之助の話が残っています。

その中の土方との別れにシーンは、何度聞いても涙が溢れそうになります。

『隊長(土方)は、私(鉄之助)に遺品を持って日野へ行くことをお命じになりましたが、私は、「ここで隊長(土方)と共に討死する覚悟はできています。その役目はだれか他の者にお命じください」と言って断りました。すると、隊長は恐ろしい表情で「俺の命令が聞けないというなら、新選組の掟に従い、今ここでお前を討つ」とおっしゃったのです。私は、仕方ないと思い、ご命令に従うと言いました。すると隊長はにっこりと微笑み「日野の佐藤は、必ずお前の面倒を見てくれる。気を付けて行くんだ」と言葉をかけてくださいました。隊長のお写真と文を肌身につけ、金子を50両渡され、城(五稜郭)の外へ出て、振り返ると、小窓にこちらを見ている人影がありました。隊長であったのだろうと思います。』

鉄之助は、土方戦死の知らせを佐藤家で聞くことになります。

さぞ無念だったことでしょう。

鉄之助が大垣で病死したのかどうかはわかりませんが、もし生きていたなら西南戦争に参加して、土方のかたき討ちとばかり、新政府へ刃(やいば)を向けていたはずです。

鉄之助の負けず嫌いと土方への敬愛の心は、いつまでも変わらないものだったのです。

まとめ:市村鉄之助の生涯と逸話からわかる人物像

今回は、市村鉄之助について紹介しました。

簡単にまとめましょう。

  • 市村鉄之助は14歳で新選組に入隊した
  • 市村鉄之助は土方歳三を敬愛していた
  • 土方歳三の写真は市村鉄之助が守った
  • 市村鉄之助はとても勝ち気ででも落ち着いた少年だった

市村鉄之助と土方歳三の関係は、とても切なく現代の人を惹きつけるものがあります。

そのためか、多くの作品で鉄之助と土方の話が描かれています。

また、鉄之助がまだ少年だったのに、最後まで新選組隊士として戦ったことからも、その生き方をオマージュするような作品も多くあります。

これらを見ればもっと鉄之助の魅力を知ることができます。

何度か紹介しました「土方歳三最期の一日」以外には、こんなものもあります。

  • 新撰組異聞PEACE MAKER  2010年放映

こちらでは須賀健太さんが市村鉄之助を演じていました。

原作は、黒乃奈々絵さんの漫画です。

  • 新撰組異聞 PEACE MAKER  黒乃奈々絵 1999年~

鉄之助が兄辰之助と共に両親の敵を討つために新選組に入隊するというところから始まります。

史実とは大幅に違いますが、鉄之助の成長や周りとの出会いなど、とりあえず面白いです。

もちろんアニメにもなっていますし、映画化もされています。

  • テレビアニメ 新撰組異聞 PEACE MAKER 2003~2004年
  • 劇場版アニメ 新撰組異聞 PEACE MAKER 鎧 前編・後編 2018年公開

他にも市村鉄之助をモデルにしたアニメ・漫画があります。

  • 銀魂  バラガキ編  コミックス第42巻  アニメ第244~247話

主人公は坂田銀時ですが、その中のキャラクターに新選組をモデルとした真選組がいます。

バラガキ編は、史実の土方が少年の頃に呼ばれていた「バラガキ:触るといばらのように痛い思いをさせられる乱暴な少年」から来ています。

その中のキャラクター佐々木鉄之助が市村鉄之助をモデルにしています。

このアニメでは、土方と新隊士の鉄之助の何とも言えないいい関係が面白いんです。

ちょっと正統派ではありませんし、鉄之助のビジュアルが強烈ですが、個人的には好きな作品です。

  • 一刀斎夢録(いっとうさいむろく)  浅田次郎  2013年

「壬生義士伝」「輪違屋糸里」に続く新選組三部作の完結編です。

藤田五郎(斎藤一:元新選組隊士)が晩年に生涯を振り返ってゆく形で進む物語です。市村鉄之助が入隊したころや戊辰戦争後の鉄之助の消息なども描かれています。

以上「市村鉄之助の生涯と逸話・エピソードからわかる人となり」でした。

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